研究課題/領域番号 |
21H02572
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45050:自然人類学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
古市 剛史 京都大学, 野生動物研究センター, 特任教授 (20212194)
|
研究分担者 |
戸田 和弥 総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 日本学術振興会特別研究員(PD) (20881931)
橋本 千絵 京都大学, 野生動物研究センター, 助教 (40379011)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | チンパンジー / ボノボ / メスの集団間移籍 / メスの身体的発達 / メスの生理的発達 |
研究成果の概要 |
複数の雌雄から成る集団で生活する哺乳類では、近親交配の回避や他集団での繁殖成功の追求のため、雌雄のいずれかあるいは双方が出自集団を離れて他集団へ移籍する。移籍の過程で生存や繁殖にかかわる様々なコストを被るため、ほとんどの種で妊娠・出産・育児を担うメスが出自集団にとどまり、母系集団が形成されるが、霊長類にはメスが集団間を移籍する種も多い。本研究では、なぜこれらの種でメスが移籍するのかという未解決の学術的問いに答えるため、ともに父系集団を形成しながらもメスの移籍年齢が大きく異なるチンパンジーとボノボの比較にもとづいて、メスの移籍に関わる至近要因とその背景にある適応的意義を分析した。
|
自由記述の分野 |
霊長類学、自然人類学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在のヒトは父系、母系、ペア型、一夫多妻、一妻多夫とさまざまな社会構造をもつが、ヒトの誕生時点からそのような多様性を持っていたとは考えにくく、また分化人類学の分野の比較研究で、初期のヒトは父系的社会を持っていたと推定されている。だとすると、ヒト亜科をなすゴリラ、チンパンジー、ボノボ、ヒトは、哺乳類では極めて珍しい父系的社会を共通してもっていたことになる。なぜそのような社会をもつようになったのかを解明するには、そもそもなぜメスが出自集団を出るのかという問いに答えなくてはならない。本研究はメスの身体的・生理的発達の分析からからその部分を解明し、ヒト亜科の社会構造の進化過程の研究に貢献する。
|