研究課題
基盤研究(B)
本研究では,自己身体として身体認知を可能にするサイボーグ義手の開発とその方法論を構築し,生来身体に近づいた自然な操作感を実現する次世代の実用的なサイボーグ義手の実現を目的とする.主な研究成果は以下の3点である.(1)プリシェイピング時の筋電や距離画像を併用することで操作負担の小さいサイボーグ義手の制御手法を開発した,(2)指関節の脱臼機構や人の手の機能および機械特性を考慮しハンドを実現することで常時装着が可能な多自由度サイボーグ義手を開発した,(3)触覚および深部感覚フィードバック法を用いた心理物理実験により身体認知を促進させる体性感覚フィードバック方法の一例を示した.
ロボティクス
本研究成果は,自己身体として身体認知を可能にするサイボーグ義手の構築とその感覚フィードバック手法を示せたことは,ただの使いやすい道具ではなくより身体に近づいた自然な操作感を実現するサイボーグ義手の構築の可能性を示したことであり学術的に大きな意義がある.また,本研究成果は上肢切断者のQOL(生活の質)の向上や,マニピュレータを用いた両手作業の拡張による組立作業支援などの産業応用など社会的波及効果も大きいものと考える.