ヒトを含めた社会を形成する動物は、集団内の他個体を記憶(社会性記憶)し、それぞれの相手に対して適切にふるまうことで適応的な社会を形成しています。最近、この社会性記憶を担う神経回路の種類など、その神経メカニズムが明らかになりつつあります。しかしながら、そのような社会性記憶を担う神経回路が脳の発達の過程でどのように作られるのかについては、あまりわかっていませんでした。 今回、我々は幼少期のグリア細胞(脳における神経細胞以外の細胞)が他人を記憶する脳の形成に重要であることを明らかにしました。さらに、アストロサイトのCD38という分子がその神経回路の形成を調節する仕組みを明らかにしました。
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