研究課題
基盤研究(C)
乳癌は脳転移の頻度の高い悪性腫瘍であり、乳癌の脳転移に対する新たな治療方針の構築が急務である。ここでは間葉系幹細胞を使用した乳癌の転移性脳腫瘍の治療方法の構築を目的に研究を行なった。乳癌の細胞株を用いて臨床のシナリオを模したマウスモデルを構築するとともに治療用細胞がマウスの脳内で腫瘍に向かって遊走することを確認した。マウスモデルを使用して治療効果の判定を行う研究を継続中である。同様のアプローチで肺癌、メラノーマの転移性脳腫瘍についても並行して研究を行い、髄膜播種に対する効果を明らかにした。
脳神経外科
転移性脳腫瘍は治療が困難な疾患であり、一般的に手術、放射線照射、化学療法が行われるが時に命に関わる病態である。私たちは、幹細胞という新しいツールを用いて転移性脳腫瘍を治療する方法の研究を行った。それにより、乳癌、肺癌、皮膚癌の動物実験レベルではあるが、有効性を報告した。今後転移性脳腫瘍治療の新たな選択肢となりうると考えられ、いずれは患者さんに届けることを目標に研究を継続する。