本研究は、キラルな結晶構造を持ったセラミックス蛍光体の円偏光発光(CPL)と結晶構造との相関を明らかにし、キラル無機化合物の既存の偏光応答理論を発光や励起状態の領域に拡張することを目的とした。本研究ではキラルセラミックスであるLaBSiO5に希土類イオンを添加した蛍光体単結晶をフラックス法によって育成した。蛍光体単結晶のキラリティをX線結晶構造解析により明らかにすると共に、CPL測定を行うことにより結晶構造のキラリティとCPL特性との相関を明らかにした。これによってキラルセラミックス蛍光体のCPL材料としての可能性を示すと共に、結晶中の希土類イオンのCPL特性を深く理解するための基礎を築いた。
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