変形性膝関節症の治療にLipogemsなどを用いて調製された脂肪組織の破砕物や、脂肪由来幹細胞が用いられている。近年、細胞の分泌物のうち、代謝産物が様々な生理活性を有することが示されているが、脂肪由来幹細胞の代謝産物が治療効果(抗炎症効果)をもつかは不明だった。本研究で実施したメタボローム解析の結果、ヒト脂肪由来幹細胞は大量の代謝産物Xを分泌していた。マクロファージにXを曝露した結果、炎症反応に関わる遺伝子の発現が抑制されていたことから、脂肪由来幹細胞による治療効果に代謝産物も寄与していることが明らかとなった。
|