二重課題干渉の発生は、転倒や交通事故の一因となる。二重課題干渉を抑制する方法として、二重課題を反復訓練する「二重課題トレーニング」が有名だが、この方法では抑制効果を得るまでに長い訓練時間が必要となる。その他の方法として、脳に磁気や電気刺激を加える「ニューロモデュレーション」も近年注目されているが、機器が高価であり、有害事象の懸念もあるため臨床現場での運用には至っていない。 本研究で検討した認知課題は、安価に、誰でもどこでも実施できる。認知課題による抑制効果を生じやすい二重課題が明らかになれば、臨床場面における認知課題の具体的な運用に向けた、より発展的な研究を展開できる。
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