読解力は複雑な認知能力であり様々な構成技能に支えられている。過去の研究で様々な第二言語読解力の構成技能が発見されてきた。しかしその相対的重要性や発達的変化の理解は、さらに深められる必要がある。本研究課題はこの問題意識のもとに3つの研究(大学生対象、中高生対象、メタ分析)を遂行した。これらを通して、言語知識(語彙・文法)の影響力が大きく安定していること、理解力(第一言語読解力・第二言語聴解力)や言語処理効率(語彙や語彙より下位レベルの処理・文処理)の影響力は相対的に小さくかつ不安定であることが示唆された。
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