本研究は、リン酸排出トランスポーターXpr1が細胞内リン酸蓄積を抑制してリン酸毒性を軽減する、と仮説をたて解析した。本研究の結果では近位尿細管細胞でのXpr1 ノックアウト (KO) によって、リン酸排出だけでなくリン酸取り込み活性も減少するが、細胞内リン酸量が増加することを認めた。さらに、Xpr1 KO細胞は高リンメディウムやCPP対するリン毒性感受性が亢進した。また、高リン血症を呈するKlotho KOマウスでは全身の臓器においてXpr1発現が変化した。これらの結果より、Xpr1はリン酸排出によって細胞内リン酸蓄積を防ぎ、高濃度のリン酸およびCPP抵抗性に寄与する可能性が示唆された。
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