J. VuilleminやG.-G. Grangerらによって展開させられた「概念の哲学」を現代数学の文脈において実行した。代数方程式の解の探求からガロア群の誕生、そしてガロア群の拡張に対して哲学的分析を施しているVuilleminのLa Philosophie de l'algebre(1962)の方法を学び、A.Connesによって導入された非可換幾何学やGrothendieck流の現代代数幾何学における概念生成に対して、哲学的分析を試みた。解析学と代数学との豊かな干渉を通して新たな幾何学的対象が生まれていることに気付く。そこでは、層や(コ)ホモロジーという概念が重要な役割を果たしている。
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