抗TNF-α抗体であるインフリキマブが脊髄虚血による神経損傷を軽減するかどうか検討した。家兎を対照群、インフリキマブ5mg/kg投与群(5mg群)、10mg/kg投与群の3群に分けた。家兎の腹部大動脈を15分間遮断し脊髄虚血を作成した。再灌流後、7日間後肢運動機能(5段階評価、4:正常、0:麻痺)を評価し、病理組織標本で脊髄前角正常細胞数を測定した。3群間に後肢運動機能のスコアの差はみられなかった。脊髄前角正常細胞数では対照群と比較して5mg群で有意に正常細胞数が多かった。インフリキシマブ5mg/kg投与群で脊髄虚血保護効果の可能性が示唆されるが、臨床応用は慎重にするべきと思われた。
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