研究課題
基盤研究(B)
本研究は、東日本大震災の被災者に対するアンケート調査およびインタビュー調査(混合研究法)の結果に基づき、住民の被災経験および法的ニーズの社会的構築のプロセスを解明することをめざした。被災者は法的問題を抱えながらも自らはそれに気づかない場合があること、地域の法的サービス供給構造の違いが法的ニーズ顕在化の経路に重要な影響を及ぼしている可能性などが、本研究の重要な知見である。この知見に基づき、本研究は、総合法律支援制度に関する政策的含意を導出するとともに、A・センの潜在能力アプローチを手がかりに、法的ニーズ概念の再構成およびその顕在化プロセスに関する新たな理論的視座を発展させた。
法社会学