有害重金属の毒性発現に関連した細胞内タンパク凝集体の性状と意義を解明するため、凝集成分の解析では、細胞抽出用緩衝液の組成を見直すことで凝集タンパク分画の純度を改善した。また、高分解能HPLC/Q-TOFによるショットガン解析を軸とする手法を導入し、凝集成分の同定を進めた。タンパク凝集の形成機序に関しては、安定同位体含有アミノ酸を用いた培養細胞の代謝標識実験を導入し、時間軸の観点から現象を分析した。この他、難溶性ポリユビキチン化タンパク質を指標としたタンパク凝集評価系の実験操作を改善し、効率的な手法によってヒト上皮系細胞に対する有害重金属の作用を検証・分析した。
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