数論的な多様体のL関数とモチーフ的コホモロジーとの関係、またその円分体論への応用を研究した。とくに、円分体のヘッケL関数の特殊値とフェルマー曲線のモチーフ的コホモロジーとの新たな関係を、一般超幾何関数を用いて示した。また、超幾何ファイブレーションという多様体族を新たに定義し、その周期に対するGross-Deligne予想を証明し、そのレギュレーターを一般超幾何関数を用いて表すことができた。さらに、フェルマー曲線塔の副有限ホモロジー群の構造を決定し、それを用いて、Ihara-AndersonによるJacobi和の普遍測度の、簡明な構成を与えた。
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