本研究ではフラクタル上のLaplacianの固有値(固有振動数)の分布の漸近挙動について研究を行い次を示した: 固有値漸近挙動の作用素論的言い換えとして体積の概念を特徴付けるConnesのトレース定理が,Sierpinski gasket上の測度論的Riemann構造の場合を含む広範なフラクタル上のLaplacianに対して成り立ち,さらに曲面積も類似の方法で特徴付けることができる. またApollonian gasketという古典的なフラクタル上の測度論的Riemann構造について,Laplacianの自己共役性,Laplacianの固有値分布の離散性,最小固有値の評価等の基本的事実を証明した.
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