自然や社会に現れる様々な現象を理解するために、その現象を数理モデルで記述し解析することにより、その現象が現れるメカニズムを明らかにしようという試みが盛んになされてきた。本研究では、生物種の空間的な自発的秩序形成を取り上げ、その中でも走化性-増殖方程式と呼ばれる化学物質をシグナルとして用いる生物種の集合形成メカニズムを理解することを目的とした。理論解析と数値シミュレーションにより、走化性-増殖方程式の集合パターンを示す定常解の大域構造を明らかにすることができた。また、走化性-増殖方程式に含まれる増殖項の違がパターン形成に影響を及ぼすことも明らかにした。
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