Project/Area Number |
19H01585
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Nagasaki Wesleyan University |
Principal Investigator |
吉野 浩司 鎮西学院大学, 現代社会学部, 教授 (40755790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 麦生 神戸大学, 人文学研究科, 講師 (70758557)
吉田 耕平 鎮西学院大学, 現代社会学部, 准教授 (90706748)
磯 直樹 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 特任講師 (90712315)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥16,770,000 (Direct Cost: ¥12,900,000、Indirect Cost: ¥3,870,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 亡命知識人史 / 世界社会学史 / 善く生きる / 社会変動 / 魂の世話 / ニコライ・ティマシェフ / ロシア社会学 / 法社会学 / 鈴木栄太郎 / 高田保馬 / 亡命社会学者 / 世界の社会学 / ティマシェフ / レヴィ=ストロース / ドイツ社会学 / 亡命ロシア知識人 / ギュルヴィチ / バランディエ / ガイガー / 亡命知識人 / 東欧社会学 / 欧米社会学 / 社会学 / 利他主義 / 亡命 / 〈善く生きる〉 / フランス / チェコ / ロシア / 知識人 / フランス社会学 / アメリカ社会学 / 世界比較文明学会 / アメリカ / スラブ / 社会学史 / 亡命知識人の社会学 / 一次資料 / 国際共同研究 |
Outline of Research at the Start |
〈善く生きる〉のための社会学とは、人間が生きる上で必要な生きがい、愛、喜びといった人間のポジティブな側面を対象とし、その発生メカニズムの解明と社会への実装とを目的とする科学である。この社会学を、亡命知識人論というグローバルな社会学史の観点から、その源流にまでさかのぼって捉え直そうとするものである。わけても〈善く生きる〉ための思索の片鱗は、20世紀初頭のロシア社会学にも組み込まれており、後に欧米の社会学にまで浸透していった。世界各地のアーカイブに残された亡命知識人の資料を掘り起こし、かつてのロシアや中東欧の思想から現代の欧米の社会学にいたる様々な試みを総合的に把握する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主としてニコライ・ティマシェフにターゲットを絞り、調査を進めていった。5月22日、7月9日、8月13日、9月3日、11月19日と、5回の研究会を行い、多面的なティマシェフ像を浮かび上がらせることができた。ティマシェフの自伝、娘タチヤナによる小伝、同著作目録を手掛かりに、これまであまり知られていないティマシェフの亡命前から亡命後の姿が明らかとなった。まず法学者から社会学者となった経緯として、亡命の経験が大きかったこと。またアメリカでは法社会学だけではなく、ソビエト研究者としての実績を積んでいたことなどを明らかにした。現在では入手困難となっている、ニューヨークで出版されたロシア語によるティマシェフ記念論文集を手に入れ、主要部分を読み込むことで、フォーダム大学での教師生活の解明へとつながった。 5月27日には、「ロシア・ウクライナ問題-100年前の亡命ロシア知識人の視点から」という市民向けの講座を開催した。 また亡命知識人の日本での受容の一例として、鈴木栄太郎と高田保馬についての研究を行っている。高田保馬の未公開自伝を出版することができたので、市民向けの発表会を、全5回にわたって佐賀で開催した(6月11日、7月2日、8月6日、9月10日、10月1日)。 3月27日の定例研究会では、最終年度に向けた総括の方向性について話し合った。5年間の研究成果を、著作として出版すること、また本研究の拡大的展開として、次につなげることなどが議題となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究自体は順調に進められているが、コロナによる渡航制限により、現地調査が不足していることから、やや遅れているとした。とはいえ、これまで入手出来ている資料をもとに、またネットで入手できる情報を調べつくすことで、貴重な文献を手に入れることができた。これらの資料の精読により、特に、ティマシェフについての研究は、かなり進めることができ、次年度につなげるめどが立った。 他方、亡命知識人の日本での受容についても、高田保馬研究の方で進展があり、自伝を編集・出版することができた。また北海道大学文書館で鈴木栄太郎文庫の調査を実施し、ソローキン、ツィンマーマンらの私信の原本を確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
【現地調査の実施】今後は現地調査を実施し、研究対象の亡命知識人の資料を有する研究機関で、可能な限り資料・情報収集を行う。現地調査には充分な時間と予算を割き、研究の信頼性と深化を図る予定である。 【国際的研究の強化】国際的な学会で発表を行うことで、研究成果を幅広い視野で検証しなおす。関連研究者や専門家との連携を深め、意見交換や共同研究を行う。 【データ分析と解釈の強化】入手した資料や調査結果をより詳細に分析し、適切な解釈を行う。 【学術論文の執筆と発表】研究成果を研究代表・分担者・協力者と共同発表できる場として、2023年度の比較文明学会での合同発表会を計画する。ここでの発表が可能となれば、関心のある研究者や専門家のみならず、一般の市民との討論や意見交換の場を設定することができる。
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