世代を通した導入遺伝子の発現安定化を目指したDNAメチル化の人為的制御法の確立
Project/Area Number |
19K06460
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42040:Laboratory animal science-related
|
Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山本 耕裕 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (20613558)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
|
Keywords | DNAメチル化 / 遺伝子サイレンシング / Dnmt / サイレンシング / transgenerational / メチル化 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、導入遺伝子のDNAメチル化を人為的に制御することで、サイレンシングを回避する方法の確立を目的とする。申請者は以下2つのアプローチから導入遺伝子プロモーターを低メチル化状態に保ち、導入遺伝子の発現安定化を試みる。1. メチル化修飾酵素を欠損させた変異体を用いて、新規メチル化の導入を妨げる。2. 人為的にDNA脱メチル化を導入し、プロモーターの低メチル化を導く。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では世代を越えると導入遺伝子の発現が抑制される“導入遺伝子サイレンシング”を回避する方法の確立を目指す。これら遺伝子サイレンシングの実体は導入遺伝子プロモーターの高DNAメチル化に起因すると考えられているため、導入遺伝子のサイレンシグにおけるDNAメチル化の関係を明らかにすることを目的とする。哺乳類では初期発生と生殖細胞形成過程において大規模なDNAメチル化の変動が起こることが報告されているが、メダカ配偶子形成におけるDNAメチル化の動体は未だ明らかでは無い。研究目的の達成のため、これまでにメダカ配偶子形成におけるDNAメチル化状態を明らかにした。具体的にはメダカ雌雄配偶子形成過程と初期発生におけるDNAメチル化パターンの変動をDNAメチル化の特異的である5メチルシトシン抗体を用いた免疫組織的手法と次世代シークエンサーによるDNAメチル化状態の網羅的解析から解析した。メダカ配偶子形成におけるDNAメチル化の機能を解析するため、DNAメチル化の修飾酵素であるDnmtファミリー遺伝子のノックアウト個体をCRISPR-Cas9システムにより作出した。メダカでは3種類のDnmt3遺伝子(Dnmt3a, Dnmt3b-1, Dnmt3b-2)が同定されており、これらすべてのノックアウト個体を作出した。今年度は3種類のDnmt3のうち2種や全てをノックアウトしたトリプルノックアウト個体のライン化並びに表現型解析を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全ゲノム解析からメダカでは両性の幹細胞型生殖細胞および分化型生殖細胞、精子では高メチル化状態であることが明らかになった。しかしながら、成熟卵においてはメチル化程度が減少することが分かった。さらに5メチルシトシンの染色から幹細胞型、第一減数分裂、第二減数分裂それぞれの生殖細胞においてDNAメチル化パターンには変動が少ないこと、初期胚発生においてもDNAメチル化パターンには変動が少ないことが明らかになった。そのため、導入遺伝子が母方から次世代に受け継がれる際に遺伝子サイレンシングが起きる可能性が示された。 今年度ライン化を行なったDnmt3b-1, Dnmt3b-2ダブルノックアウトメダカの表現型を解析したところ、ホモ個体ではWTに比べて全身の体色が黒いことが明らかになった。これらの表現型はde novo DNAメチル化の減少によるメラトニン関連遺伝子の発現上昇と関連すると予想している。しかしながら、トリプルノックアウトラインの系統化は出来なかったため、研究進歩としてはやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
作出したDnmt3bダブルノックアウトメダカにおける色素関連遺伝子の発現状態やDNAメチル化パターンを明らかにすることで、色素形成におけるDNAメチル化の関わりを明らかにする。これらの解析により導入遺伝子のサイレンシングにおけるDNAメチル化の関わりを明らかにする。
|
Report
(4 results)
Research Products
(3 results)
-
[Journal Article] Evolutionary differentiation of androgen receptor is responsible for sexual characteristic development in a teleost fish2023
Author(s)
Y. Ogino, S. Ansai, E. Watanabe, M. Yasugi, Y. Katayama, H. Sakamoto, K. Okamoto, K. Okubo, Y. Yamamoto, I. Hara, T. Yamazaki, A. Kato, Y. Kamei, K. Naruse, K. Ohta, H. Ogino, T. Sakamoto, S. Miyagawa, T. Sato, G. Yamada, M. Baker & T. Iguchi
-
Journal Title
Nature communications
Volume: 14
Issue: 1
Pages: 1428-1428
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-