Project/Area Number |
20K01003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小林 晃 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (80609727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 洋介 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (10293276)
丸橋 充拓 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (10325029)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 官僚制度 / 唐宋 / 北宋 / 南宋 / 南宋王朝 / 人事政策 / 宋代 / 士人 / 薦挙制度 / 政治制度 |
Outline of Research at the Start |
本研究は南宋時代の人事制度がいかなる法令的な原則のもとで、現実にいかに運用され、その結果どのような社会背景を有する人々が科挙制度以外の方法で中下級官僚として出仕し、王朝国家に取り込まれていったのかを検討することにより、金・モンゴルとの南北対峙という状況が中国江南の社会に与えたインパクトが那辺にあったのかを明らかにしようとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は新型コロナウイルス感染症の感染症法上の扱いが5類とされたことで、2022年度よりも対面での研究会を開催しやすくなった。しかし前半期は感染流行がしばしば起こるなど予断を許さない状態にあったため、2023年度においても1ヵ月から2ヵ月に1度のペースでZoomによる研究会を引き続き行うことにした。その席上では『慶元条法事類』の文書門の読解を進め、南宋時代の官僚制度の解明に努めている。 2023年度の業績としては、徳永洋介「南宋時代の法と裁判―『清明集』を読むために―」が、大澤正昭監修・佐々木愛責任編集・石川重雄ほか編集『訳註『名公書判清明集』懲悪門』(汲古書院、2024年)に掲載されたことは特筆される。この論考は、南宋時代の地方における司法・裁判制度について詳細に解説したものであり、表題にあるように『名公書判清明集』という難解な史料の最適の手引き書になるのはもちろんのこと、従来の研究を塗り替える内容をも含んでいる。伝統中国では司法は行政の一環であり、南宋時代の官僚制度の解明を目指す本研究の成果がそこに反映されていることはいうまでもない。 また小林晃は、本研究で得られた成果を盛り込んだ著書の原稿を執筆し、科学研究費の研究成果公開促進費(学術図書)に申請を行い、採択された(課題番号24HP5075)。そのためこの原稿は2025年2月末までに刊行される予定である。本研究の成果としては、南宋の宰執が司令官職を兼任して最前線に出向する現象を、中央の文書行政のあり方との相互関係のなかで理解しようとしたものであり、上記著書に書き下ろし論文として掲載される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究に参加している小林晃、丸橋充拓、徳永洋介の3人はいずれも熊本大学・島根大学・富山大学と互いに遠方の研究機関に在籍しており、2023年度も念のために対面での研究会を避けたことが研究の遅れの原因となった。 小林晃が著書の原稿を執筆し、そこに本研究の成果の一部が盛り込まれたことで、遅れの多くは取り戻すことができた。しかしもともとの計画にあった、中国に渡航して新出度の墓誌銘を網羅的に調査しようとするものについては、現在、日中間でビザの取得が困難という事情があるため、全く進めることが出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、小林晃が出版予定の著書を刊行に向けて準備することが第一の目標となる。また日中関係によって頓挫している新出度の墓誌銘調査については、当面は改善する見込みがないことからこれを放棄し、別の方面から研究を進めることが必要になるかもしれない。現在のところ、南宋時代の文集史料に収められている墓誌銘史料のみを悉皆調査してデータ化することが一つの方策として考えられる。またもう一つは、『慶元条法事類』の文書門の読解をさらに進め、そこで得られたデータを2022年に新発見出土史料として公表された徐謂礼文書の読解に役立て、そこから当時の官僚制度の解明に取り組むという方策もある。この二つを同時並行で進めながら研究の総括を目指したい。
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