Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
欠陥フラーレン(C_1-C_<59>)とナノチューブ内壁との共有結合生成が、どのようにナノチューブ構造の変形に寄与するかを密度汎関数法計算により検討した。その結果、ゲストとホストとの間に共有結合を生成することにより、結合部位近傍のナノチューブ表面にブタジエン型およびキノノイド型の変形が生じることが分かった。これらの結果は、内包分子の構造変形を用いて、ナノチューブ表面にsp^2骨格を保った状態で局所変形を生成させることを示した例である。また、ナノチューブ内壁と内包分子との結合生成において、ナノチューブ内部の制限された空間がどのように影響するかを検討した。実際には、内包分子として、ナノチューブ内部空間に対して比較的サイズの大きいC_1-C_<59>欠陥フラーレンと比較的サイズの小さいカルベン分子(CH_2)を選択し、アームチェアチューブに対する内包分子の位置選択性を検討した。その結果、欠陥フラーレンC_1-C_<59>がアームチェアチューブ内壁に結合する場合、ナノチューブ軸に対して垂直なC-C結合に結合しやすいものの、カルベン分子の場合、位置選択性を示さないことが分かった。これらの違いは、ナノチューブと欠陥フラーレンの弱い相互作用に由来する。さらに、ナノチューブ表面の局所変形が化学修飾分子カルベンの結合部位に影響を及ぼすかについても検討した。その結果、カルベン分子は、二重結合性の増加したC-C結合に結合した場合、他のC-C結合に結合する場合よりもエネルギー的に有利であることが分かった。二重結合性の増加するC-C結合は、内包カルベン分子とナノチューブ内壁との結合部位近傍のみに存在する。従って、カルベン分子によるナノチューブ化学修飾における結合部位は、ナノチューブの局所変形を用いて制御可能であることを見いだした。
All 2007 2006 2005 2004
All Journal Article (13 results)
Chemistry of Materials 19
Pages: 1028-1028
Materials Research Society Symposium Proccedings 963E
The Journal of Physical Chemistry B 111
Pages: 1099-1099
Nano Letters 6
Pages: 1389-1389
Physical Review B 73
Pages: 193401-193401
Pages: 233409-233409
Annual Report Progress Chemistry Section C(Invited paper) 102(印刷中)
Journal of the American Chemical Society 127
Pages: 11769-11769
The Journal of Physical Chemistry B 109
Pages: 20251-20251
Chemical Physics (印刷中)
Bulletin of the Chemical Society of Japan 77
Pages: 1305-1305
Chemical Physics Letters 386
The Journal of Physical Chemistry B 108
Pages: 11426-11426