研究概要 |
1.含フッ素強酸による含フッ素官能基化反応: CF_3SO_3H,HF等の含フッ素強酸に塩基を共存させて求核性の向上した含フッ素アニオン種による位置選択的な芳香核置換反応を行い,芳香族トリフラートや芳香族フルオライドなどのファインケミカルズ合成中間体を容易に得ることを可能にした. 2.セミコマーシャルスケール一段法・ジアゾ化-光脱ジアゾフッ素化反応装置の試作:芳香族アミノ化合物の一段法ジアゾ化-光脱ジアゾフッ素化反応を40モルスケールで行う装置を試作し,本反応による工業的規模でのフルオロ芳香族炭化水素合成への道を開拓した. 3.フルオロアジン類からのアジリルエーテル合成: フルオロピリジン類がアルコキシやフェノキシイオンと効率よく反応してアジリルエーテルを収率よく与えることを見いだした. 4.トリフルオロアセトアルデヒドとジエン類とのエンおよびジ-ルスアルダー反応: 酸に敏感なトリフルオロアセトアルデヒドとジエン類が亜鉛系ルイス酸触媒を用いることによって,反応基質の重合や縮合反応を抑えてエンおよびジ-ルスアルダー反応を起こすことを見いだした. 5.フッ素化試薬としてのシアヌルフルオライド: 活性の低いアルケニルボロン酸誘導体の水酸基をシアヌルフルオライドを用いてフッ素置換することでα,β不飽和カルボニル化合物への1,4-付加反応反応を容易にし,γ,δ-不飽和ケトンを収率よく合成できることを見いだした. 6.HF-塩基溶液を電解質とする有機化合物の電気化学的フッ素化反応: HF-塩基溶液中で脂肪族アルデヒドのフォルミル水素の選択的フッ素化やケトンのカルボニル炭素-炭素結合開裂フッ素化反応が電気化学的に起こることを見いだし,収率よく酸フルオライドやアルキルフッ素化合物を与えた.
|