スピン偏極一価Ｈｅビーム散乱における異常な非対称性散乱の起源の解明

• 研究課題/領域番号: 15K05237
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 原子・分子・量子エレクトロニクス
• 研究機関: 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発
• 研究代表者: 柳町 治 (酒井治) 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発, 総合科学研究センター, 特任研究員 (60005957)
• 研究協力者: 鈴木 拓 物質・材料研究機構, 主席研究員
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2018-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2017年度)
• 配分額: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円); 2017年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円); 2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円); 2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
• キーワード: 放射線・X線・粒子線 / 量子ビーム / １価ヘリウムビーム / スピン非対称性散乱 / 放射線・Ｘ線・粒子線 / He+ビーム / Ｈｅ＋ビーム

研究成果の概要

スピン偏極He+ビームを常磁性の物質に照射すると10%程度の非対称度が生じる。この値はポテンシャル散乱のスピン軌道結合による予測値の１万倍程度である。非対称度の散乱角度(θ)依存性は、AuやPt等の90°付近のθで符号変化を示すタイプ、PbやBi等の符号変化を示さぬタイプに大別される。本課題で「Heと標的原子の間に生じる仮想電子移動励起状態において、標的上で電子に働く原子的スピン軌道相互作用がHe核の運動の異常なピン軌道結合の起源となる」ことを示した。占有5d電子の励起により実験に対応する非対称度を生じる。共鳴励起に近いPb等では符号変化が生じないが、弱共鳴のAu等では符号変化が生じる。

研究成果

• [雑誌論文] Effects of the Electronic Spin Orbit Interaction on the Anomalous Asymmetric Scattering of the Spin-Polarized 4He+ Beam with Paramagnetic Target Materials II. Partial wave Representation (2018)
  • 著者名/発表者名: Sakai Osamu、Suzuki Taku T.
  • 雑誌名: Journal of the Physical Society of Japan 巻: 87 号: 5 ページ: 054302-054302
  • DOI: 10.7566/jpsj.87.054302
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 偏極⁴He⁺イオンビームによるスピン依存イオン散乱とその応用 (2017)
  • 著者名/発表者名: 鈴木拓, 酒井治
  • 雑誌名: 表面科学 巻: 38 号: 4 ページ: 164-169
  • DOI: 10.1380/jsssj.38.164
  • NAID: 130005606245
  • ISSN: 0388-5321, 1881-4743
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Spin-orbit coupling and surface magnetism coexisting in spin-dependent low-energy He+-ion surface scattering (2017)
  • 著者名/発表者名: Suzuki T. T.、Sakai O.
  • 雑誌名: Physical Review B 巻: 95 号: 15
  • DOI: 10.1103/physrevb.95.155437
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effects of the Electronic Spin-Orbit Interaction on the Anomalous Asymmetric Scattering of the Spin-Polarized 4He+ Beam with Paramagnetic Target Materials (2017)
  • 著者名/発表者名: Osamu Sakai and Taku T. Suzuki
  • 雑誌名: J. Phys. Soc. Jpn 巻: 86 号: 6 ページ: 064301-064301
  • DOI: 10.7566/jpsj.86.064301
  • NAID: 210000134390
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Pressure-induced anomalous valence crossover in cubic YbCu5-based compounds (2017)
  • 著者名/発表者名: H. Yamaoka, N. Tsujii, M.T. Suzuki, Y. Yamamoto, I. Jarrige, H. Sato, J.F. Lin, T. Mito, J. Mizuki, H. Sakurai, O. Sakai, N. Hiraoka, H. Ishii, K.D. Tsuei, M. Giovannini, E. Bauer
  • 雑誌名: Scientific Reports 巻: 7 号: 1 ページ: 5846-5846
  • DOI: 10.1038/s41598-017-06190-3
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Optical Evidence of Itinerant-Localized Crossover of 4f Electrons in Cerium Compounds (2016)
  • 著者名/発表者名: S. Kimura, Y. S. Kwon, Y. Matsumoto, H. Aoki, O. Sakai
  • 雑誌名: Journal of the Physical Society of Japan 巻: 85 号: 8 ページ: 083702-083702
  • DOI: 10.7566/jpsj.85.083702
  • NAID: 40020906357
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Oscillatory spin asymmetric scattering of low energy He ions on Sn surfaces (2016)
  • 著者名/発表者名: T.T.Suzuki, O.Sakai
  • 雑誌名: Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B: Beam Interactions with Materials and Atoms 巻: 印刷中 ページ: 2-6
  • DOI: 10.1016/j.nimb.2016.02.064
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Target element dependent spin–orbit coupling in polarized 4He+ ion (2015)
  • 著者名/発表者名: 鈴木拓、酒井治、一ノ倉聖、平原徹、長谷川修司
  • 雑誌名: Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 巻: 印刷中 ページ: 163-166
  • DOI: 10.1016/j.nimb.2014.11.055
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [学会発表] スピン偏極He+ビーム散乱における異常なスピン軌道相互作用の理論II (2018)
  • 著者名/発表者名: 酒井治、鈴木拓
  • 学会等名: 日本物理学会 第73回年次大会
• [学会発表] スピン偏極He+ビーム散乱における異常なスピン軌道相互作用の起源V (2017)
  • 著者名/発表者名: 酒井治、鈴木拓
  • 学会等名: 日本物理学会 第72回年次大会
  • 発表場所: 大阪大学豊中キャンパス(大阪府豊中市待兼山町1)
  • 年月日: 2017-03-17
• [学会発表] スピン偏極He+ビーム散乱における異常なスピン軌道相互作用の理論 (2017)
  • 著者名/発表者名: 酒井治、鈴木拓
  • 学会等名: 日本物理学会2017年秋季大会
• [学会発表] Theory on the Anomalous Asymmetric Scattering of the Spin-Polarized 4H+ Beam with Paramagnetic Target Materials (2017)
  • 著者名/発表者名: 酒井治、鈴木拓
  • 学会等名: 第18回「イオンビームによる表面・界面解析」特別研究会（主催 応用物理学会・薄膜表面物理分科会）
• [学会発表] Origin of the Anomalous Asymmetric Scattering of the Spin-Polarized 4H+ Beam with Paramagnetic Target Materials (2016)
  • 著者名/発表者名: O. Sakai and T.T. Suzuki
  • 学会等名: 第17回「イオンビームによる表面・界面解析」特別研究 主催 応用物理学会・薄膜表面物理分科会会
  • 発表場所: 京都府立大学 稲盛記念会館（京都府京都市左京区下鴨半木町1-5）
  • 年月日: 2016-12-03
• [学会発表] スピン偏極He+ビーム散乱における異常なスピン軌道相互作用の起源VI (2016)
  • 著者名/発表者名: 酒井治、鈴木拓
  • 学会等名: 日本物理学会2016年秋季大会
  • 発表場所: 金沢大学角間キャンパス(石川県金沢市角間町)
  • 年月日: 2016-09-13
• [学会発表] LDA＋DMFT法によるCe1-2-2系化合物の電子構造計算 (2016)
  • 著者名/発表者名: 大槻純也、播磨尚朝、酒井治
  • 学会等名: 日本物理学会2016年秋季大会
  • 発表場所: 金沢大学角間キャンパス(石川県金沢市角間町)
  • 年月日: 2016-09-13
• [学会発表] スピン偏極He+ビーム散乱における異常なスピン軌道相互作用の起源III (2016)
  • 著者名/発表者名: 酒井治、鈴木拓、西野正理
  • 学会等名: 日本物理学会第71回年次大会
  • 発表場所: 東北学院大学泉キャンパス
  • 年月日: 2016-03-19
• [学会発表] スピン偏極He+ビーム散乱における異常なスピン軌道相互作用の起源II (2015)
  • 著者名/発表者名: 酒井治、鈴木拓、西野正理
  • 学会等名: 日本物理学会 2015年秋季大会
  • 発表場所: 関西大学千里山キャンパス
  • 年月日: 2015-09-16
• [学会発表] Cubic YbCu5系化合物の高圧下におけるYb価数の異常な振る舞い (2015)
  • 著者名/発表者名: 山岡人志、辻井直人、鈴木通人、山本義哉、Ignace Jarrige、佐藤仁、Jung-Fu Lin、水戸毅、桜井裕也、平岡望、石井啓文、Ku-Ding Tsuei、酒井治、水木純一郎、M.Giovanni、E.Bauer
  • 学会等名: 日本物理学会 2015年秋季大会
  • 発表場所: 関西大学千里山キャンパス
  • 年月日: 2015-09-16