• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ガリレオの学術論争における「説得の技術」の変容およびバロック期の言語表現との関係

研究課題

研究課題/領域番号 16520195
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 ヨーロッパ語系文学
研究機関京都産業大学

研究代表者

小林 満  京都産業大学, 外国語学部, 教授 (50242996)

研究期間 (年度) 2004 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
3,850千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワードガリレオ / バロック / マリーノ / カンパネッラ / 潮汐理論 / アッチェット
研究概要

1613年の「カステッリ宛の書簡」のなかでガリレオは聖書と自然学の関係を整理してコペルニクス説のほうがアリストテレス・プトレマイオス体系よりも優位にあることを証明したが、その論理の攻撃性もあって、彼は宗教的な論争に巻き込まれてしまう。その反省から、『偽金鑑識官』から『世界の二大体系についての対話』へと執筆活動が展開していくにつれ、彼の説得の技術は、論理的に敵を打ち負かすだけでなく、「たとえ話」をも導入して、読者をより引き込むものへと進化していった。
17世紀の前半には「感覚」を重要視する文化的風土があった。たとえば「感覚に基づく経験と必然的な論証」を自然学の研究手段と考えるガリレオ、あらゆる事物には感覚が備わっているという視点から自然を説明する哲学者カンパネッラ、そして五感を通した快楽を主題としたバロック詩人マリーノである。
『アドーネ』のなかでマリーノは、望遠鏡を「遠くにあっても、対象を非常に拡大して、誰の感覚にでも近づける道具」と位置づけているとおり、「感覚」に奉仕する新器具の発明者としてのガリレオを賛美した。また、海の航海者=地理的征服者コロンブスと天空の航海者=自然哲学的征服者ガリレオという2人のイタリア人が新時代の象徴として描かれており、ペトラルカの『カンツォニエーレ』所収「わがイタリアよ、たとえ語るのがむだでも」からレオパルディの『カンティ』所収「アンジェロ・マイヘ」に到るイタリアの偉人たちを引き合いに出しながらイタリアを憂える詩のバロック的変奏をなしているとも考えられる。またマリー・ド・メディシスの招聰によってパリの宮廷に登ったマリーノがこの作品をフランスで発表したことを考え合わせると、新旧論争の前段階の重要な作品と位置づけることも可能であろう。ガリレオの存在がいかに国境や領域を越えた「事件」であったかの証左と言える。

報告書

(5件)
  • 2007 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書

URL: 

公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi