研究課題
基盤研究(C)
アスピリン喘息患者の鼻茸は極めて難治性で易再発性である。鼻茸中には過剰なフィブリン網形成による粘膜浮腫が認められる。好酸球による凝固系因子tissue factor (TF)発現亢進が凝固系の異常亢進がフィブリン網の過剰形成に関与している。アスピリン喘息患者の鼻茸組織において、アクチン結合蛋白L-plastinの発現量の増加が認められた。L-plastinの発現量の増加は、好酸球のtissue factorを細胞表面へ表出させ、凝固系を亢進することによってフィブリン網を過剰に産生することで難治性の鼻茸形成に関与している。
好酸球性副鼻腔炎は非常に難治性の疾患で厚生労働省によって指定難病に登録されている。本疾患において最重症タイプのアスピリン喘息における鼻茸形成のメカニズムについてはこれまであまり分かっていなかった。今回の研究結果によって好酸球性副鼻腔炎における鼻茸形成メカニズムが解明され今後新規治療法の開発にも大きく役立つと思われる。
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