研究課題/領域番号 |
17K02336
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
大久保 純一 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (90176842)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 錦絵 / 風刺画 / 武者絵 / 百鬼夜行図 / 百鬼夜行 / 妖怪 / 戊辰戦争 / 浮世絵 / 幕末の世相 / 出版史 |
研究成果の概要 |
江戸時代末期に出版された錦絵の風刺画を、風刺の読み解きのコードや主題をもとに、以下のカテゴリーに分類した。 1)武者絵など過去の歴史的出来事に偽装したもの。2)異類合戦に事寄せたもの。3)市井風俗画を装ったもの。4)子供あそびに仮託したもの。5)鳥観図に戊辰戦争の戦場を重ねたもの。6)百鬼夜行図などの妖怪画に仮託したもの。 この分類をもとに、風刺画作成にも従来の武者絵において幕府の統制を回避する手法が応用されていることを明らかにした。また、従来風刺画と認識されていなかった錦絵をあらたに風刺画として抽出しうる可能性を見出しえた。成果の一部は、国立歴史民俗博物館の特集展示の展示内容に反映させた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、江戸時代末期に出版された錦絵の風刺画は美術史的な価値の低いものとして研究対象にはなっていなかったが、膨大な画像を集積して分析することで、武者絵や百鬼夜行図などの妖怪画など、絵画史の分野でも注目されているジャンルにおける作画手法がたくみに応用されていることを明らかにすることができた。このことにより、従来美術史研究においては看過されてきた幕末風刺画が同時代のほかの絵画と密接な関係を持ち、研究対象として高い価値を有することを示しえた。
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