研究課題/領域番号 |
17K07243
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ゲノム生物学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
石野 知子 (金児知子) 東海大学, 医学部, 客員教授 (20221757)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | レトロトランスポゾン/ウイルス由来遺伝子 / RTL/SIRH genes / 哺乳類特異的遺伝子 / Rtl6/Sirh3 / 脳 / 自然免疫 / ミクログリア / LPS / 獲得遺伝子 / SIRH/RTL遺伝子 / 脳機能 / Sirh3/Rtl6 / GAGタンパク質 / レトロトランスポゾン / domesticated gene / 哺乳類特異的 / レトロトランスポゾン由来 / Sirh family / 行動異常 / Sirh3/Ldoc1l / Sirh11/Zcchc16 / Sirh famiry / 睡眠異常 / Sirh11 / Sirh3 |
研究成果の概要 |
レトロトランスポゾン/レトロウイルスのGagタンパク質に相同性をもつ哺乳類特異的遺伝子Rtl6/Sirh3遺伝子は、ヒストンH3に次ぐ保存性を保つ進化的な重要性が高い遺伝子であるが、その機能は不明だった。われわれは、これが脳内の免疫細胞であるミクログリアで発現し、細菌感染から脳を守る機能をもつことを明らかにした。Toll-like receptorを介した自然免疫システムは動物界で広く保存されているが、哺乳類では細菌排除のためにウイルス由来の遺伝子が新しい要素として加わった進化がおきていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトを含む哺乳類のゲノムには、機能不明のレトロウイルス由来の遺伝子が30以上存在する。本研究のRTL6/SIRH3遺伝子が脳の自然免疫で、細菌感染に対する防御に機能していることを解明し、レトロウイルス由来の遺伝子が細菌感染防御に機能するという、全く予想できなかった事実が明らかになった。これは、Toll-like receptorシステムが動き出す前に、独自に機能していると考えられ、哺乳類の自然免疫系の進化を世界で初めて示したものである。進化における生物とウイルスの関係に新たな知見を与えたものであるだけでなく、将来、脳疾患の原因解明にもつながることが期待される。
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