研究課題/領域番号 |
17K13429
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 電気通信大学 (2019-2022) 明治大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
金沢 友緒 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 講師 (20785828)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ロシア文学 / 気球 / 18世紀 / フランス / エカチェリーナ2世 / 啓蒙 / ドイツ / 近代ロシア / 科学 / ロシア / 飛行 / 文学 / 比較文学 |
研究成果の概要 |
フランスの熱気球実験成功以降、ロシア国内で気球実験禁止令が施行された前後の時期に、気球に関連する作品が複数発表されたことが、本研究を通じて明らかになった。これらの中にはエカチェリーナ2世の気球実験に対する慎重な姿勢を反映した作品も認められた。 女帝の政権の保守化の主たる契機を、1789年のフランス革命とするのが一般的な見方であるが、他方でフランス崇拝に対する冷静かつ批判的な視点は、既に革命以前から皇帝及び周辺の知的階層の間で共有されていたのである。同時期のロシア文学にみる「気球」の描写もまた、西欧諸国との関係の中でフランス文化を相対化する動きのひとつであった可能性を、本研究で明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来のロシアの異文化受容の研究においては、近代西欧の先進国モデルであるフランス文化の所産が肯定的に受容されてきたという理解が定着してきた。しかし、本研究は、むしろ実際は18世紀ロシアにおいてフランスがドイツやイギリスとの比較の中で選択的、批判的に受容されていた、という立場からアプローチを試みたものであり、そのことによって、これまで看過されてきた諸視点を提供することができた。また、「気球」を単に科学的成果として捉えるのではなく、文学・芸術・経済・政治等の多数のジャンルに跨がる多面的な研究の対象として設定したことで、新たな文化研究のモデル・ケースを示し得たと考える。
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