研究課題/領域番号 |
18K01212
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 史人 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (50350418)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ロシア憲法 / 憲法裁判所 / 権威主義 / ヨーロッパ人権裁判所 / ロシア / 憲法裁判 / 憲法アイデンティティ / 独裁 / 違憲審査基準 / 憲法改正 / 立憲主義的独裁 / 比例原則 / 記憶法 / ロシア法 / 権威主義体制 |
研究成果の概要 |
1990年代に人権保障に積極的であったロシア憲法裁判所は、2000年代に政治部門への従属を強めたが、その活動はなお活発である。権威主義体制下でのこのような「積極主義」の背景には、比例原則を用いて違憲審査を行い、「決定」を通じて通常裁判所の形式的な法適用を改めるなど、いまなお人権保障において積極的な役割を果たしている側面がある。他方で、憲法裁判所は、価値論的アプローチの適用やヨーロッパ人権裁判所の判決の審査など、権力の行動を正当化するという意味でも積極的である。このように、憲法裁判所は、法治の維持と専制の擁護という二つの顔を使い分けつつ、権威主義体制において自らの存続を図っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在のロシアでは、権威主義的政治体制のもとで、憲法裁判所が積極的に活動している。かかる状況は、従来の研究で援用されることの多かった「移行論」的視角では十分に説明できないものであり、欧米やロシアでもこの角度から憲法裁判所を包括的に扱った研究はない。本研究は、こうした領域に光を当て、権力分立など憲法裁判所が本来の役割を実現できない領域や、権威主義体制を正当化する役割を果たしている領域が存在することを確認する一方で、憲法裁判所が、通常裁判所の法解釈・適用の改善など一定の領域では今なお積極的な役割を果たしていることを明らかにし、民主化と法の支配の進化の関係性について一定の示唆を与えるものである。
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