研究課題
基盤研究(C)
本研究では、膵癌微小環境を構成する細胞のheterogeneityに着目し、Acinar atrophyを誘導する責任細胞の同定とその機序を解明し、新たな膵癌局所浸潤の治療法の開発を目的とした。ヒト膵癌組織の腫瘍先進部では、ADM様変化が観察されTGFαが陽性であり、これは、原発巣の大きさや予後不良と関連していること、また、遺伝子発現解析により、癌関連ADM、散発性ADM、慢性膵炎ADMの表現型の違いが明らかになった。これらの結果から、ADMを引き起こすメカニズムは組織の微小環境によって異なり、癌関連ADMとAcinar atrophyは膵癌細胞の膵臓実質浸潤に寄与していることが示唆された。
膵癌進展を抑制するには、癌間質を含めた膵癌微小環境におけるheterogeneityを理解する必要があり、本研究によって癌関連ADMとAcinar atrophyが膵癌細胞の膵臓実質浸潤に寄与していることが示唆された。これまでに膵癌周囲微小環境としての膵腺房細胞の萎縮を誘導する責任細胞や因子に着目した報告はなく、これらの結果は膵癌局所浸潤におけるAcinar atrophyの機序の解明につながるものであり、それらの制御法の開発が新たな膵癌局所浸潤の治療法の開発に結び付くものと期待される。
すべて 2020 2019 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件)
PLOS ONE
巻: 15 号: 1 ページ: e0228015-e0228015
10.1371/journal.pone.0228015
Cancer Lett
巻: 444 ページ: 70-81
10.1016/j.canlet.2018.12.005
J Cancer Res Clin Oncol.
巻: 145 号: 5 ページ: 1147-1164
10.1007/s00432-019-02860-z
Int J Cancer
巻: 144 号: 6 ページ: 1401-1413
10.1002/ijc.31775