研究課題/領域番号 |
19K02791
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
田尻 信壹 目白大学, 人間学部, 教授 (10436800)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 史料活用の課題追究授業 / 世界史授業アーカイブ / 歴史的思考スキル / 歴史授業の収集 / 高校地歴科の歴史授業 / 高校の地歴科歴史授業 / 歴史学習のアルゴリズム / 高大連携の推進 / 史料を活用した課題追究型授業 / アメリカの歴史授業 / 地歴科の歴史授業 / 知識構成型ジグソー法 / 博物館資料の活用 / 協調学習 / 地歴科世界史探究 / 課題追究型授業の構築 / 史料の活用 / 歴史授業改革 / 大学と高校の連携 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、大学研究者と高校教員とが共同して行うことを企図し、日米両国の世界史を中心とした歴史授業の現状を分析することである。そして、2018年告示の改訂学習指導要領の地歴科世界史(新科目・世界史探究)が目指す「史料を活用した課題追究型授業」モデルを開発して高校の地歴科教員に向けて発信し、授業実践力の向上に資することである。そのために、本研究が行う内容として、以下の二点を提示する。 第一に、改訂学習指導要領における「史料を活用した課題追究型授業」構築に向けての研究を推進する。 第二に、優れた授業実践を通じての授業改革と研究推進に向けてのネットワーク構築の研究を推進する。
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研究実績の概要 |
本研究は、大学研究者と高校教員が共同して行うことを企図し、日米両国の世界史を中心とした歴史授業の現状を分析することである。そして、2018年告示の改訂学習指導要領の高校地歴科の世界史(新科目「世界史探究」)が目指す「史資料を活用した課題追究型授業」モデルを開発して高校地歴科・中学校社会科教員に向けて発信し、授業実践力の向上に資することである。 2022年度は、新型コロナ感染症の影響もあり海外調査が困難であったため、国内調査を中心に行った。調査活動の概要は、以下のとおりである(①-⑩)。①8月9・10日に石川県金沢市調査(金沢学院大、銭屋五衛兵関係史跡、県立博物館)、②9月1‐3日に新潟県佐渡市・新潟市調査(新潟県立佐渡中等教育学校・新潟大、佐渡金山関係史跡)、③9月8‐10日に青森県弘前市・青森市調査(弘前大学・青森県立青森高校、世界遺産・北東北の縄文遺跡、弘前市立博物館)、④10月23‐25日に兵庫県神戸市調査(兵庫県立須磨友が丘高校・私立親和女子高校、神戸海洋博物館)、⑤11月22・23日に愛知県岡崎市・豊橋市調査(愛知県立岡崎高校。豊橋・二川宿史跡)、⑥12月26・27日に岐阜県中津川市・長野県南木曽町調査(長野県立蘇南高校、馬籠宿・妻籠宿史跡)、⑦1月9・10日に宮城県仙台市・石巻市調査(東北福祉大学、石巻市の震災遺構・東日本大震災津波伝承館)、⑧1月17日に群馬県富岡市調査(世界遺産・富岡製糸場、群馬県立世界遺産センター)、⑨2月10‐12日に兵庫県神戸市・姫路市調査(神戸大付属中等学校、世界遺産・姫路城)、⑩3月9‐11日に鳥取市調査(鳥取大学・鳥取県立鳥取西高校、鳥取砂丘ビジターセンター・鳥取砂丘、青谷上寺地遺跡)。これらの調査を通じて、高校・大学・博物館関係者へのヒアリング、歴史授業の参観・記録、博物館等での資料収集を行うことが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度前半は、2020年・2021年度同様、新型コロナ感染症の流行の影響が残り、対面での接触を必要とする調査活動の実施が困難であった。8月以降、新型コロナ感染症の流行が沈静化してきたので、国内での調査活動を再開して10か所の調査を実施することが出来た。しかし、海外調査については、実施することが叶わなかった。本報告では、この点を考慮して「やや遅れている」とした次第である。 2022年度は、本研究の成果を、田部俊充・田尻信壹・小松伸之編著『大学生のための中等社会科・地理歴史科・公民科概論』(風間書房)として刊行した。本書では、筆者は改訂学習指導要領の中学校社会科の歴史的分野と高校地歴科の新科目「世界史探究」の内容を整理・執筆することができたことで、研究の進捗があった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、新型コロナ感染症の世界的流行に起因する2021年度と2022年度前半の遅れを取り戻すべく、高校での授業見学と授業の記録化、教員へのヒアリング調査、博物館・資料館・史跡等でのヒアリングと教材の調査・収集を充実させる。 研究成果を発信するために筆者が開設したホームページ「世界史授業アーカイブ」を積極的に活用して、本研究の成果の発信に努める。2023年度は、高校での新教育課程実施から2年目を迎え、地歴科では新科目「歴史総合」ばかりでなく、「日本史探究」・「世界史探究」などの授業が始まる。そのため、「日本史探究」・「世界史探究」の実施状況を調査し、授業の参観・記録化を推進する。 また、2021年2月以来実施できなかった海外調査(主に米国調査)を再開し、学校現場を訪問して歴史授業の参観や記録化を行う。今日の海外の授業研究では、スタンダードに基づくカリキュラム設計に関わる取り組みが目覚ましい。そして、このような先端的カリキュラムに基づく歴史授業の参観や記録化を通じて海外の歴史授業への理解を深めたいと考える。 改訂学習指導要領地歴科の歴史系新科目(「歴史総合」・「日本史探究」・「世界史探究」)に関わる研究を進め、その成果をまとめ、教育系学会や研究会での発表やホームページ「世界史授業アーカイブ」への掲載を通じて、教職を目指す学生や社会科・地歴科教員に発信する。そして、「史料を活用した課題追究型授業」についての研究を進め、教材開発を推進したいと考える。その成果を、教職を目指す学生や社会科・地歴科教員に向けて発信し、授業実践力の向上に寄与する所存である。
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