研究課題
基盤研究(C)
本研究では、パーキンソン病発症機序におけるミトコンドリア障害説の解を求めるため、ミトコンドリア可視化の技術を応用した動物モデル作成、および神経細胞での変異ミトコンドリアの動態解析を行うことを目的とする。これによる、パーキンソン病モデルマウスの確立は変異ミトコンドリアを生み出す根本原因(内的要因)の探索をも可能とし、老化や孤発性パーキンソン病の実態に迫ることが期待される。
遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子であるParkinとCHCHD2に着眼し、遺伝子欠損マウスを作製・解析した結果、欠損マウスでは100週齢以上の高齢で運動症状とドーパミン神経の脱落が観察された。老化マウスの中脳黒質ドーパミン細胞には断片化した損傷ミトコンドリアが蓄積し、ドーパミン細胞の脆弱性の高まりが神経細胞死に関与するものと推測された。
モデルマウスの解析から不良なミトコンドリアの蓄積がパーキンソン病の原因であることが有力となり、古くから指摘されてきたミトコンドリア障害説を裏付ける結果となった。このモデルマウスの利用はミトコンドリアをターゲットとした治療法の開発に有益である。
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