研究課題/領域番号 |
19K14856
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
上島 伸文 東北大学, 工学研究科, 助教 (10733131)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 有限要素多結晶モデル / 塑性変形 / 不均一変形 / デジタル画像相関法 / 結晶塑性有限要素法 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、結晶塑性有限要素法(CPFEM)を用いた解析により、結晶のすべりを陽に考慮した塑性変形計算が可能となってきている。しかしながら、現状ではマクロな塑性変形全体を合わせるように各パラメータが決定されている。CPFEMは発展途上のモデルであることから、実験と合わない場合には、微視的視点に立ち戻って妥当性を検討する必要があると考えられる。本研究課題では、少結晶粒材料の変形を、デジタル画像相関法を用いて解析することによって、粒毎の不均一変形を系統的に定量化する。結晶塑性計算と比較することにより、材料組織レベルでのモデルの妥当性の検証が可能となり、格子回転則や寸法効果等の精度向上が期待される。
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研究成果の概要 |
近年の電子機器の小型化により、配線などに用いられる銅線、端子などは部品中に含まれる結晶粒の数が少なくなってきている。そこで、そのような試料の変形予測モデル検討の為、少結晶試験片を用いた引張試験中ひずみ分布の観察と有限要素多結晶モデルによる計算を行い、実験結果と計算結果を比較した。実験結果からは理論から予想される変形挙動と一致した傾向が得られた。計算結果と実験結果を比較したところ、結晶粒の数が少ない場合にはひずみ分布が一致する傾向が得られたが、多い場合は一致しなかった。今回用いた理論や硬化則の限界を示すとともに、今後の少結晶試料の変形予測モデル改善の方向性について知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的には流動応力や集合組織などのマクロな変形挙動を予測できるモデルであっても、結晶粒毎のひずみ分布などミクロな変形挙動を予測できない場合があることを示し、モデルの改善につながる成果が得られたと考えられる。社会的には、材料に含まれる結晶の数が少ない場合の変形予測について、予測可能な場合と困難な場合を示し、予測の可否について実例を示し、そのような材料の加工の予測の際の指針を示した。
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