研究課題/領域番号 |
19K17741
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
酒井 晋介 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60817360)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | オートファジー / 腎糖新生 / 糖新生 / 乳酸代謝 / 糖尿病 / 腎臓 |
研究開始時の研究の概要 |
我々のグループでは、10年以上にわたって近位尿細管のオートファジー機構について研究を行い、種々の腎疾患の発症・進展にオートファジーが対抗し、腎保護的に機能することを明らかにしてきた。この糖尿病では、随時血糖の上昇に近位尿細管での糖新生亢進が関わることが古くから示唆されているが、その本態は明らかになっていない。本研究の目的は、腎尿細管における糖新生の分子機構、特に糖尿病状態での腎糖新生亢進と尿細管オートファジーの関わりを解明し、生理学的意義を探求することである。最終的には糖産生の抑制を可能にする新規糖尿病治療薬を発見するための道筋をつけることを目標とする。
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研究成果の概要 |
腎における糖新生の機序は今までわかっておらず、特に糖尿病性腎症において腎糖新生が亢進する機序について明らかにされていなかった。本研究において、オートファジー不全によって惹起する乳酸産生亢進が、腎近位尿細管細胞での糖新生が亢進することを明らかにした。乳酸は、糖新生の基質のみならず糖新生律速酵素であるG6Pase活性を上昇させることで腎糖新生を制御することが明らかになった。糖尿病によって惹起されるオートファジー不全により、乳酸産生が亢進することにより腎糖新生が亢進されて全身血糖の増悪に寄与することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今まで糖尿病における腎臓での糖新生上昇の機序はわかっていなかったが、本研究によりその機序の一端が明らかになったと同時に、糖尿病における腎糖新生が、全身血糖値上昇に影響することが明らかになった。また、古くから指摘されていた腎糖新生と肝糖新生の制御機構の相違の原因の一端も明らかになり、乳酸代謝物の基質およびメディエーターとしての働きが全身代謝に重要であることも判明した。今後、糖尿病における腎糖新生の抑制は、いまだ患者数の減らない糖尿病への新たな治療介入として、新しい視点での治療となる可能性が高く社会的意義の高い研究と考えられる。
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