研究課題/領域番号 |
19K23825
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堤 研太 大阪大学, 蛋白質研究所, 特任研究員 (60844785)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 構造解析 / クライオ電子顕微鏡 / 単粒子解析 / 薬剤耐性 / 膜蛋白質 / 膜タンパク質 / 多剤耐性 / 構造生物学 / 薬剤排出 |
研究開始時の研究の概要 |
様々な薬剤に対して抵抗性を示し、臨床的に有効な薬剤が現状存在しない多剤耐性緑膿菌は、その感染症に対して有効な治療法が存在しないことが大きな問題となっている。この多剤耐性の大きな要因となるRND型多剤排出ポンプ複合体は、菌体に取り込まれた様々な薬剤を排出する。本研究では、緑膿菌のポンプの中でも、臨床で多用されるアミノグリコシド系統の薬剤を唯一排出することができるMexXY-OprMポンプ複合体の、特に排出の根幹を担う内膜トランスポーターのMexYについて構造解析を行い、多剤耐性緑膿菌に対する創薬基盤を樹立する。
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研究成果の概要 |
多剤耐性緑膿菌への有効な薬剤ターゲットであり、これまで立体構造の報告がないMexYの構造解析に向け、可溶化方法の検討、精製方法の検討を行った。アミノグリコシド耐性株PA7由来については、界面活性剤を用いた精製、又は膜から直接ナノディスクを形成させるポリマーを用いて機能体三量体を精製することに成功した。アミノ酸の一時配列から、MexYのC末端が機能体の安定化に寄与している可能性が示唆された。残念ながら、目標としていたクライオ電子顕微鏡を用いた構造解析を達成することはできなかったが、MexYの構造決定に向けた直実な一歩となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臨床で多用されているアミノグルコシド系統の抗生物質を緑膿菌のポンプの中で唯一排出することが可能なRND型多剤排出ポンプの中枢を担う MexYの機能を阻害する方法が開発できれば、これまで多剤耐性緑膿菌に効果のなかったアミノグリコシド系の抗生物質が使用できる可能性が出てくる。本研究は未だに有効な手立てのない多剤耐性緑膿菌感染症に対する有効な手段となり、本研究は阻害剤の開発に向けた一歩となったと考えられる。
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