研究課題/領域番号 |
20H02693
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
水谷 泰久 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (60270469)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | アロステリー / ラマン分光法 / タンパク質ダイナミクス |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質は人工の分子では成し得ない高度な機能を有する。したがって、タンパク質を理解することは生命現象の理解のみならず、高度な機能性分子の創成に重要な知見を与える。タンパク質の構造-機能相関を理解するうえで重要な点は、複数のタンパク質が共通した立体構造を持ちつつ、それぞれが多様な機能を示すことである。このことは共通構造が機能の基本構造となっていることを示すとともに、その基盤の上での調節によって機能の多様性が生まれていることを強く示唆する。本研究では、タンパク質化学反応の際に起きる機能単位間の連動的構造変化を観測し、共通の立体構造から機能の多様性が生まれる機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
タンパク質の物理化学研究の難しさは、タンパク質の構造と機能の多様性にあり、普遍的な原理を見つけにくい点にある。そこで、本研究ではタンパク質の共通構造に着目した。ロドプシンタンパク質は共通の立体構造を基盤として、タンパク質ごとに、プロトン、ナトリウムイオン、塩化物イオンなど多様なイオンを選択的に輸送する。また、酸素運搬タンパク質の多くはグロビンフォールドと呼ばれる共通のサブユニット構造を持ちつつ、多様な会合様式によって協同性を示す。そこで、共通構造を持ちつつ異なる機能あるいは異なる機能性会合を示すタンパク質群の作動機構を比較して明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化学の進展によって、化学者はある機能を持った分子を設計し、それを実際に合成することができるようになった。しかし、複数の機能単位を組み合わせ、互いに連動する、より高度な機能分子を創ることはいまだに困難である。それは合成の技術的な難しさのためではなく、連動させる原理がわからないためであり、原理がわからなければ設計のしようがないためである。「連動性を生む必要十分条件は何か?」を理解できれば、連動性をもった機能性分子を設計するための重要な知見が得られる。連動性の理解は分子機能にとって本質的な問題であり、分子の理解と制御に重要な貢献を果たす。
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