研究課題/領域番号 |
20K07927
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
八田 耕太郎 順天堂大学, 医学部, 教授 (90337915)
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研究分担者 |
一宮 洋介 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任教授 (10184631)
内村 直尚 久留米大学, その他部局等, 学長 (10248411)
杉田 学 順天堂大学, 医学部, 教授 (20322414)
中村 裕之 金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
東 晋二 東京医科大学, 医学部, 教授 (30365647)
宮川 晃一 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40338405)
岸 泰宏 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60256930)
竹内 崇 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (70345289)
臼井 千恵 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (70453587)
柴田 展人 順天堂大学, 医学部, 教授 (50365615)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | せん妄 / 予防 / メラトニン / ラメルテオン / 時間薬理学 / ブロナンセリン / 拒薬 / 抗精神病薬貼付剤 / ランダム化比較試験 / オレキシン |
研究開始時の研究の概要 |
急性疾患や術後に出現し、意識水準の変動と認知の変化を特徴とするせん妄は、高齢化に伴って益々増加が見込まれ、生命予後、転倒、認知症発症に関わる医学全般の課題である。せん妄には睡眠覚醒リズムの障害が必発で、その調整の役割をもつメラトニンの受容体作動薬を生理的なメラトニン分泌の高まりに合わせて投与することがせん妄予防に効果的ではという仮説などを検証する。
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研究成果の概要 |
せん妄は、高齢化に伴いさらなる増加が見込まれ、生命予後、転倒、認知症発症に関わる医学全般の課題であるが、未だ適応薬剤がない。本研究では、これまで研究代表者が明らかにしてきたメラトニン受容体作動薬のせん妄予防効果について、投与時間による予防効果の違いの実証を8病院の多機関共同RCTで試みた。しかし登録症例が及ばなかった。 一方、せん妄の実臨床における拒絶性の課題は、抗精神病薬貼付剤が内服や点滴に拒絶を示す患者にも受け入れられる場面が臨床現場で頻繁となってきたため、そのブロナンセリン貼付剤のせん妄予防効果を後ろ向きに検証した。その結果、有意にせん妄出現率を低下させていたことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メラトニン受容体作動薬のせん妄予防効果に関する投与時間による違いは、RCTでの検証に至らなかったため観察研究水準にとどまる。一方、抗精神病薬の貼付剤による拒薬例のせん妄予防については、後ろ向き水準ではあるが世界で初めて実証、報告できた。これまで拒薬例にはハロペリドールなどの抗精神病薬の筋注や静脈内投与で対応してきたが、その際に徒手拘束や身体拘束を併用せざるえないことが多かったため、患者-医療者関係には困難をもたらしがちであった。その点、抗精神病薬の貼付剤は、拒絶性を示しても受け入れられることが多いことが明らかになり、患者-医療者関係の破綻を免れる、あるいは良好な構築に貢献しうると考えられる。
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