研究課題/領域番号 |
20K10142
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
井 隆司 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (30733448)
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研究分担者 |
住田 吉慶 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (50456654)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 唾液腺 / 再生 / 細胞治療 / 放射線性唾液腺萎縮症 / 線維化 / CD34 / 再生医療 / CD34陽性細胞 / 間葉系幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
頭頚部癌患者に対する放射線治療に併発する唾液腺萎縮症は、患者のQOLを著しく低下させるが、その治療法は確立されていない。その典型的な病理像である線維化組織にみられる過剰な細胞外マトリックス(ECM)を産生する線維芽細胞の由来やその活性化機序についての詳細は解明されていない。 本研究では、線維化の要因とされている上皮間葉転換(EMT)や骨髄・末梢血細胞でなく、これまでに報告がなかった唾液腺常在性CD34陽性細胞(TR34)が組織線維化を引き起こす機序に着目することで、過剰ECM産生を行う筋線維芽細胞へ分化・誘導する分子機序を解明し、線維化抑制に働く新規分子標的薬開発を検討することを目的とした。
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研究成果の概要 |
本研究は、抗炎症/組織線維化抑制をはじめとした組織再生環境構築に寄与するEffective Mononuclear Cell(E-MNC)を利用して、放射線性唾液腺萎縮症マウスモデルにおける線維化過程のメカニズム解析と組織常在CD34陽性細胞の相互作用について解析を行った。今回、E-MNCが、貪食機能を発現する際に上昇するMsr1やGalectin-3を発現し、移植組織において炎症起因物質を貪食処理していることが明らかとなった。E-MNC移植組織では線維化抑制が認められており、これを利用して組織線維化抑制の過程における組織常在CD34陽性細胞の動態・機能に着目して解析を行っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果により、E-MNCによる炎症起因物質に対する貪食機能を介して、抗炎症作用がもたらされる機序の一端が示された。E-MNCの投与が、唾液腺組織における放射線障害後の組織再生環境の構築に寄与し、線維化の抑制につながったと考えられる。炎症起因物質の貪食による排除により、組織常在CD34陽性細胞が筋線維芽細胞へ分化する過程を抑制するメカニズムを詳細に解析中である。線維化の主体となる細胞、筋線維芽細胞へ分化する因子を解明することにより、唾液腺のみならず、他の臓器における過剰線維化の病態解明・治療法開発に発展する可能性がある。
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