研究課題/領域番号 |
20K11565
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 東京家政学院大学 |
研究代表者 |
海野 知紀 東京家政学院大学, 人間栄養学部, 教授 (90439753)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | カテキン / クレゾール / 尿毒素 / 腸内細菌 / p-クレゾール / フェノール / ポリフェノール |
研究開始時の研究の概要 |
我々が日常的に摂取している茶カテキンが,腸内細菌叢の改変をもたらし,そのことによってチロシン由来の尿毒素(フェノール,p-クレゾール)の産生を抑制することができるかについて検討する。実験動物に茶カテキンを摂取させ,このときの糞中腸内細菌叢の変化を解析するとともに,尿中のフェノール量,p-クレゾール量を測定することで,茶カテキンの効果を検証する。食経験のある茶カテキンの尿毒素産生に及ぼす効果を明らかにすることは,糖尿病性腎症の進展予防の観点から将来の臨床的研究への基礎となる。
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研究成果の概要 |
p-クレゾール(PC)は腸内細菌の異化作用によってチロシンから生成される尿毒素の一種である。本研究では,緑茶に含まれるエピガロカテキンガレート(EGCG)の摂取が,尿中,血漿中PC濃度に影響を及ぼすかについて検討した。 マウスにEGCGを0,0.05,0.1,0.2%(w/w)配合した食餌を2週間投与したとき,用量依存的に尿中と血漿中のPC濃度が低下した。しかし,EGCGをエピガロカテキンと没食子酸に加水分解すると,PC濃度の低下は消失した。EGCGはPC生成に関与しているClostridiales目の腸内細菌の割合を低下させたが,EGCGの加水分解物では有意な腸内細菌叢の変化を認めなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,尿毒素の一種であるp-クレゾール(PC)が緑茶に含まれるエピガロカテキンガレート(EGCG)によって抑制されることを明らかにした。その作用機序として,EGCGがチロシンからPCを産生する腸内細菌の種類を抑制したためであると推察された。腸内細菌が産生したPCは体内に取り込まれると抱合体に変換されるが,クレシル硫酸は糖尿病性腎症の憎悪因子として理解されていることから,食品成分の摂取によってそのリスク低減に影響する可能性を示唆するとして学術的な意義を有する。
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