研究課題/領域番号 |
20K16947
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
林 明宏 旭川医科大学, 医学部, 客員助教 (30459573)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 膵癌 / 低侵襲診断 / デジタルPCR / ドライバー遺伝子 / digital PCR / digital 細胞診 / リキッドバイオプシー / 膵腫瘍 / ゲノム診断 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、微量核酸の絶対定量に威力を発揮するデジタルPCRを用いて、少量の細胞・組織検体でもドライバー変異を確実に検出することで、腫瘍の存在診断を可能にする検出系を確立する。実地臨床において迅速かつ安価に運用可能なシステムを提供する具体的方法として、「ナノ液滴への細胞・核酸封入」によるシングルセル解析を提案する。特に、消化器癌において高頻度にみられるKRASなどの遺伝子変異を複数同時に検出できれば、形態学に基づく画像・病理診断を補填し、がん診療に大きく貢献できる。
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研究成果の概要 |
膵癌の確定診断のため行われる組織診は、試料の採取料不足のため検体不適と判定される場合が多い。本研究では微量検体から、癌細胞のもつ遺伝子異常を正確に判定する技術開発を目指した。膵腫瘍患者から提供された針生検等の残余検体を試料に、微量核酸の絶対定量が可能なデジタルPCR装置を用いて、「液滴への核酸封入」によりドライバー変異を検出する方法を開発した(Water-burst法)。本法では生検等の生体試料から核酸抽出をスキップし、KRAS変異を有無を迅速に検出できる利点がある。さらに各種変異型KRASに対する特異的プローブの混合比を調整することにより、特定の変異タイプを特定することが可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本法の実用化により、検体不良(insufficient material)に起因する再生検を減少させることができ、このことは患者への侵襲低減と医療費削減の双方に貢献できる。超微小検体から確実に癌の存在・質的情報が得られれば、再発や薬剤耐性が疑われる場合に、細径穿刺針を用いて少量の組織サンプルを採取し、仮に病理学的な判定ができずとも、遺伝子異常プロファイルを得ることも可能となる。
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