研究課題/領域番号 |
20K17072
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 三重大学 (2021-2022) 東京大学 (2020) |
研究代表者 |
丸山 和晃 三重大学, 医学系研究科, 助教 (90821984)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | リンパ管 / 血管 / 心臓 / 発生学 / ヒト疾患 / 心臓・血管病理 / 疾患モデル / リンパ管奇形 / 脈管奇形 / 心臓発生 / 発生 / 細胞起源 / リンパ管発生 |
研究開始時の研究の概要 |
リンパ管内皮細胞 (LECs) は静脈内皮の分化転換によってのみ生じると長く考えられてきた。すなわち転写因子Prox1により静脈内皮細胞の一部がLECsに分化し、全身へ分布するとされてきた。近年、静脈由来ではない臓器ごとに特色あるLECsの由来が報告されている。申請者らは、心臓リンパ管の30%程度が静脈ではなく転写因子Isl1を発現する二次心臓予定領域細胞に由来する事を見出した。本研究課題ではこれらの成果や手法を応用、発展させ、新たな臓器特異的LECsの起源・発生過程の同定を試みる。本研究はリンパ管発生に関して新たな知見をもたらし、リンパ管疾患の病態解明や治療開発の礎になると期待される。
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研究成果の概要 |
リンパ管内皮細胞は静脈内皮細胞からの出芽による単一起源に由来すると考えられてきた。申請者らは、心臓リンパ管の独自起源や発生を制御するシグナルが存在する事を報告した(Maruyama et al., Dev bio, 2019, iScience, 2021)。つまり、心臓構成細胞である転写因子Islet1を発現する未分化中胚葉細胞の分化により心臓リンパ管の50-60%が形成される。さらに、申請者が同定した心臓リンパ管起源が、頭頸部筋肉・心筋の起源として近年同定された心臓咽頭中胚葉 (CPM)であるという事を明らかにした (Maruyama et al. , eLife. 2022)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により尾索動物以降に存在するとされるCPMが脈管形成へも広く寄与することが明らかとなった。さらに、難治性疾患であるヒト脈管奇形は頭頸部に多く生じることが知られていたが、体幹部と頭頸部で細胞起源が異なることが明らかとなったことで、脈管奇形の好発部位の説明が可能となる可能性がある。今後ヒト遺伝子変異を導入したマウスモデルを作成し、ヒト疾患のモデルマウス作成へと研究を深化させていきたいと考える。
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