研究課題/領域番号 |
20K19529
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 流通科学大学 |
研究代表者 |
内田 遼介 流通科学大学, 人間社会学部, 准教授 (30589114)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | スポーツコーチング / 運動部活動 / スポーツ指導者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,グッドコーチ育成のためのモデル・コア・カリキュラムで挙げられていた「対他者力」の育成に資する知見を得ることを目的に,グッドコーチに共通する卓越した言動について複数の研究法を用いて調査する。そして,スポーツコーチングの現場に有益な教育プログラムに集約して還元することを目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は教材作成に係るデータ収集を2件行った。第一に、運動学習場面における自己選択と課題価値の影響に着目した実験を行った。従来の研究によれば、運動学習場面において学習者自身が自己選択できる状況(例: 使用するボールの色が選択できる)とできない状況(例: 使用するボールの色が事前に決められている)でパフォーマンスを比較した場合、自己選択できる状況で高いパフォーマンスを示すことが報告されている。しかし、自己選択できる状況であっても当人が運動課題に対してそもそも価値を見出すことができない状況であれば、課題に対する動機づけが高まらず、結果としてパフォーマンスの向上に繋がらない可能性が考えられた。そこで、従来の研究で行われてきた自己選択の操作に加えて運動課題の価値を操作することで、どの程度パフォーマンスに変化が生じるのか検討した。第二に、映像フィードバック観察場面における言語的教示の注視誘導効果に着目した実験を行った。近年スマートフォンに内蔵されたカメラの高性能化に伴い、運動学習場面において映像フィードバックを活用する人々が増加している。一方、映像フィードバックを活用するにあたって効果的に学習を進める観察方法には注意が向けられておらず、映像フィードバックを活用する人々やスポーツ指導に携わる人々に対して学術的な見地から助言をする余地が残されている。そこで、映像フィードバック観察中の注視点を定量的に評価できるアイトラッキングデバイスを用いて、映像フィードバック観察場面における言語的教示の違い(内的焦点・外的焦点)がどの程度学習者の注視行動に影響するのか検討した。どちらの実験もグッドコーチを育成するうえで重要となる対他者力(優れた指導者はどのように選手と円滑なコミュニケーションをとっているのか)に関する知見を提供するものであり、教材の中核となるデータが得られた点で進展があったと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
グッドコーチの育成に資する教材の作成が最終的な目的である。この目的を達成するため、本年度は特に教材の作成に必要なデータ収集に注力した。教材の内容については二部構成を予定しており、具体的に第一部は選手―指導者間の信頼関係に着目した内容、第二部は本年度に収集したデータをもとに、対他者力の育成に資する内容で構成する予定である。ただし、データを収集するための実験室実験に想定以上の時間がかかったことから、本年度中に第二部の内容を教材化するには至らなかった。また、教材化が遅れていることに伴って教材の効果測定も次年度以降にずれ込むこととなり、進捗はやや遅れている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度であることから、教材の作成に必要なデータ収集を追加で行いつつ、グッドコーチの育成に資する教材の完成を目指す予定である。作成した教材については実際にスポーツ指導に携わっている方々を対象に講義を行ったうえで効果測定を行う予定である。なお、効果測定の対象者については、現在のところスポーツ指導に携わっている方々を対象とする予定であるが、これが難しければ一般学生を対象として実施する予定である。
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