研究課題/領域番号 |
20K19767
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60040:計算機システム関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
増田 豊 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (60845527)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 近似コンピューティング / CAD / 計算重要度 |
研究開始時の研究の概要 |
集積回路の新たな設計パラダイムとして「重要な計算のみを正確に実行する」近似コン ピューティング (AC) が期待されており、AC 回路の設計開発支援 (CAD) 技術が強く望まれている。申請者は、これまでの CAD 技術の研究で、(a)回路性能を高速に推定する技術、(b)回路寿命を考慮したタイミング最適化技術、(c)製造後テストの容易化技術を開発した。本研究では、これらの技術を発展させ、AC 回路の CAD 技術を世界に先駆けて開発する。「計算の重要度」を CAD 技術上に新たに取り入れて、AC 回路の性能評価技術、タイミング最適化技術、製造後テスト技術を一貫して開発する。
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研究成果の概要 |
本研究では、計算品質の制約を満足しつつ近似コンピューティング回路の性能を最大限高める CAD 技術を目指して、(a) 性能評価技術、(b) タイミング最適化技術、(c) 検証・テスト技術の開発に取り組んだ。(a) では、Fault Injection (FI) を利用した性能評価技術を構築した。(b)では、過電圧スケーリング (VOS) に着目し、VOS に向けたタイミング最適化技術を開発した。(c) では、ハードウェア記述内に計算品質の制約をチェックする機構を埋め込み、ファジングを用いて品質制約を違反しうるテストパターンを検証する技術を提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近似コンピューティング(AC)では「どの計算にどのように近似を導入するべきか?」という問題を慎重に決定する必要がある。しかし従来のCAD技術ではすべての計算を正確に実行することを前提としており、AC 回路の設計検証への利用に課題が存在した。本研究で開発したCAD技術は、計算の重要度を新たな指標として取り入れることで、「重要な計算を正確に実行しているか」という点を定量的に評価しつつ、AC回路の消費電力、回路面積、性能の向上に貢献する。AC回路の設計検証基盤を確立することにより、ACと親和性の高いアプリ(機械学習や IoTなど)の実用化を促進できるため、本成果の社会への還元効果も十分に期待できる。
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