研究課題
基盤研究(C)
ヒト顔面の頬部全体、全層組織を切れ目のない組織切片像で観察することができた。本研究により以下のことが新たに判明した。(1)顔面皮下には独立した連続性のある浅筋膜は存在しない。ただし表情筋の浅層部は筋束がまばらになり線維成分が優位な構造をなすため、浅筋膜に同等とみなしうる。(2)顔面脂肪は浅層、深層の2層に分け、前者がいわゆる皮下脂肪、後者が表情筋の筋間脂肪とみなすことができる。さらに深層脂肪は顔面神経の走行帯に沿って亜分類可能である。(3)表情筋は口裂を形成する深層が最も基準となり、その上に順次重なる全4層で構築されている。以上の知見は顔面の発生過程や機能構造上の整合性をも説明する。
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