研究課題/領域番号 |
21K13447
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
矢吹 康夫 立教大学, 社会学部, 特定課題研究員 (40727096)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 外見差別 / ルッキズム / 見た目問題 / ユニークフェイス / 履歴書 |
研究開始時の研究の概要 |
日本において、外見に基づく差別(以下、「外見差別」)を社会的な問題として提起する研究・運動は、①美醜(容姿の美しさ)、②規範/逸脱(身だしなみ)、③属性(病気・障害、人種・民族など)という3つの位相で展開されてきた。本研究は、3つの位相で横断的に生じる採用選考時の外見差別はいかにして生じるのかという問いを設定する。そのうえで、差別の原因となる社会規範と差別する側の実態の解明を目的に、①ルッキズム概念の用法の整理と②身だしなみ規範の批判的検討によって社会において支配的な言説を抽出し、③履歴書調査によって差別の実態を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究では、外見に基づく差別について、とりわけ差別する側の実態にアプローチした。具体的には、履歴書の顔写真が採用選考の判断にどのように影響しているかを明らかにするために、企業の採用担当者を対象にした履歴書評価実験を行った。調査の結果、能力や適性とはかかわりのない顔写真が、採用選考の判断において影響していることがわかった。そのなかでも特に肥満や茶髪、見た目問題の症状がある応募者がネガティブに評価されていた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外見差別をめぐる国内の運動・研究では十分に明らかにされていなかった差別する側、つまりは採用担当者にアプローチすした点が新奇性がある。 また、2021年に履歴書の様式が改定され、性別欄への記入が任意になるなど、運動の成果が実を結びつつある。本研究の成果は、履歴書の顔写真が採用選考の判断に影響していることを示しており、これは、公正な採用選考を行うよう指導する立場にある厚生労働省にさらなる履歴書の改定を求めて働きかけるための根拠になるものであり、差別の解消に向けた社会的な意義は大きい。
|