研究概要 |
脂肪酸結合蛋白 (FABP) ノックアウトマウス (FABPKO マウス) を用い, 野性型マウス (WTマウス)を対照として,クリップ閉鎖脊髄損傷モデルにおける FABP の役割を検討した.その結果, FABP は脊髄損傷後に増殖したアストロサイトで発現亢進を認め, FABPKO マウスでは損傷後 28 日での前角神経細胞は有意に減少し,下肢の運動機能も不良であった.本研究モデルでは,いずれのマウスでも神経新生はほとんど観察されなかった.以上より,FABP は脊髄損傷に対する神経保護作用を有し,これには増殖したアストロサイトの関与が示唆された.
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